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Sayahon
更新日2022年3月29日「Accreditation」の意味とは?システムについても徹底解説
Bonjour!マルチリンガルライターのSayah (@sayah_media)です。
アメリカのオンライン大学University of the People(UoPeople)に入学してから、早くも1年以上経ちました。お陰様でなんとか引き続きPresident’s Listにも載ることができています。
そしてRegional Accreditationに申請中のUniversity of the Peopleですが、先日ようやく新しい動きがありました!
そこで、今回は「Accreditation」の意味や、アメリカの2種類の認定制度の違い、UoPeopleのRegional Accreditationに関するアップデートについて、徹底解説していきます。
「Accreditation」の意味
「Accreditation(アクレディテーション)」とは、一言でいうと「認定」という意味です。発音は上の音声で確認することができます。
最近だと、オリンピックへの参加資格がある対象者に「オリンピックID兼アクレディテーションカード(OIAC)」が提供されるなど、日本でも「アクレディテーション」という言葉は、年々身近になってきています。
動詞「Accredit」は「〜とみなす」「信用状を与える」「信任状を与え(て派遣す)る」という意味ですが、多くは受け身の「Accredited」または名詞の「Accreditation」として用いられます。
名前の前に「Accredited(Accreditの受け身)」が付いている場合、その機関や製品、サービスは、公的な機関から「認定済み」であるという意味です。
つまり、「Accredited」とは、対象にもよりますが「認定された」「正式に認可された」「適格審査に合格した」「公認の」「基準品質保証済みの」「基準合格の」などの意味で使われます。
レベル:英検1級レベル★★★★★(weblio調べ)
アメリカの教育機関における意味
もし、あなたの行きたい大学の公式サイトに「アメリカの正規大学で、短期で正規の学位・学士号を取得することができます」と書かれていたら、どのように感じますか?
おそらくアメリカの大学事情に詳しくない方は、日本のように、国(日本の場合は文部省)に認可されている、きちんとした(最低限のクオリティが保証されている)大学なのだと思ってしまうのではないでしょうか。
しかし、この場合、法律上・書類上は大学となっているものの、質に関しては保証されていない可能性があります。
アメリカで大学を設立するには、その州政府への申請が必要です。その機関が各州の条例における要件を満たしている場合、その機関は正式に「大学」として州に登録されます。
しかし、州によって条例が違うため、登録条件が厳しく規制されている州もあれば、簡単に登録できてしまう州もあるわけです。
そんな中、アメリカの教育システムにおいて一翼を担っているのが、第三者の認定機関による認定制度です。
アメリカの教育機関における「Accreditation」とは、その教育機関が公式の認定機関によって、教員の質や教育の質、専門的な成果、カリキュラムなどの審査を受け、そのプロセスを通過したことを意味します。
つまりその学校が「Accredited」と書かれている場合、その学校は公認の認定機関に正式に認定されているという意味です。
これはその機関が一定の教育水準を持っているという証明や指標にもなります。
アメリカの大学の複雑な認定制度
日本とは異なり、複雑なシステムを持つ、アメリカの大学認定制度。
アメリカでは、教育機関の認定をしているのは、連邦政府(教育省)ではありません。認定するのは、教育省や高等教育認定評議会に認められた、民間の認定委員会です。
つまり、アメリカでは、国による教育の質の保証はされていないということになります。
アメリカの大学に進学する際に、その大学がきちんと認定されているかどうかは、非常に重要な指標の一つと言っても過言ではありません。
なぜならこれは大学卒業後のキャリアにも影響する可能性があるためです。
認定されているということは、その教育機関が教員の資格や教育の質、学生の学習成績などの要素に対し、高い基準を満たしていることを意味します。
そのため、認定されている大学に通うことは、就職や就学援助、転入などに役立ちます。
例えば、トップレベルの大学(A大学とします)と、教育の質が悪い大学(F大学とします)があったとします。2つの大学は、それぞれ教師の質やカリキュラム、成績の評価方法もおそらく全く異なるはずです。
しかし、Accreditation制度がない場合、A大学を卒業した学生も、F大学を卒業した学生も、まったくレベルの異なる教育を受けたにも関わらず、同じ学位や学士号を取得することができてしまうということが起こり得ります。
以前にもこちらの記事で取り上げましたが、アメリカは超学歴社会です。アメリカでは、「学校名」だけではなく、日本以上に「学位」や「学士号」が評価されます。
そのため、もしもこのようなことが起こってしまった場合、これでは同じ「学位」や「学士号」を持っている学生のレベルに差が生まれることになり、「学位」や「学士号」の価値すら落としてしまいかねません。
また、このように教育の質にムラがある場合、F大学の学生がA大学に転入する際に、また1から単位を取得しなければならないということにもなってしまう可能性があるのです。
これらのAccreditation制度は、このようなクオリティの「ズレ」を回避すべく、設立されました。
Accreditation機関によって学術的・倫理的基準を満たしていることを認められた大学の学位プログラムは、企業だけではなく他の大学にも認められ、転入などのアクセスを容易にします(キャリアや転入に関しては下の方でまた詳しく説明します)。
つまり、これらの機関に認定されている学校に在籍しているということは、「質の高い教育やサービスを提供している機関で学んでいる学生」としてみなされるということになります。
アメリカのAccreditationには3種類ある
アメリカのAccreditation制度には、大きく分けて3つのタイプがあります。
1つ目は地域認定を意味する「Regional Accreditation」、2つ目は国家認定を意味する「National Accreditation」、3つ目は専門性認定を意味する「Programmatic Accreditation」です。
同じ「Accreditation」でも、「Regionally Accredited Institution(地域認定大学)」と「Nationally Accredited Institution(国家認定大学)」には、それぞれ違った特徴があります。
また、「Programmatic Accreditation」は専門分野別に評価する、プログラムベースのAccreditation制度です。
(当記事では、Regional Accreditation(地域)とNational Accreditation(国家)にフォーカスして解説していきます)
そのため、入学する前には必ず「RegionalとNationalのどちらで認定されているか」「どの機関で認定されているか」を確認しておく必要があります。
「当大学は正式に認定されています」と言われても、それが望んでいない方の認定である可能性もあるからです。
そのせいで、希望していた転入先や就職先を諦めなければならないなんて悲しすぎますよね。
それでは「Regional Accreditation」と「National Accreditation」とでは、一体どのような違いがあるのでしょうか?
次の章では、これら2つのタイプのAccreditation制度について、分かりやすく説明します。
Regional Accreditationの特徴
Regional Accreditationは、アメリカの特定地域内の機関を監督するAccreditation委員会によって付与されるものです。
地域認定を受けている教育機関は、国有または非営利の研究に重点を置いています。
以下の通り、アメリカでは6つの認定地域で7つの地域認定委員会が運営されています。
Source: Regional Accrediting Organizations | Council for Higher Education Accreditation
審査に通過した教育機関は、学校の所在地に応じて、その地域を担当している地域認定委員会から認定・監督されます。
また、これらの地域認定委員会は、教育機関内の学位プログラムや学校ではなく、教育機関全体を審査するというのも特徴です。
さらに、各委員会はCHEAとUSDEのどちらかまたは両方に認定されています。
CHEA(Council for Higher Education Accreditation):高等教育認定評議会のこと
USDE(U.S. Department of Education):アメリカ合衆国教育省のこと
地域認定委員会リスト
認定機関名 | CHEA認定 | USDE認定 |
Accrediting Commission for Community and Junior Colleges, Western Association of Schools and Colleges (ACCJC) | ◯ | ◯ |
Higher Learning Commission (HLC) | ◯ | ◯ |
Middle States Commission on Higher Education (MSCHE) | ◯ | ◯ |
Middle States Commission on Secondary Schools (MSA-CESS) | × | ◯ |
New England Commission of Higher Education (NECHE) | ◯ | ◯ |
Northwest Commission on Colleges and Universities (NWCCU) | ◯ | ◯ |
Southern Association of Colleges and Schools Commission on Colleges (SACSCOC) | ◯ | ◯ |
WASC Senior College and University Commission (WSCUC) | ◯ | ◯ |
Source: Regional Accrediting Organizations | Council for Higher Education Accreditation
National Accreditationの特徴
一方、National Accreditationとは、全国の学校を認定する機関によって付与されるものです。
国家認定機関は、 さまざまなキャリアプログラムや使用されるリソース、学位、サーティフィケートの提供を重視しています。
また、国家認定機関に認定されている教育機関は、営利や信仰に基づく専門学校や職業訓練学校がメインです。
Source: All You Need to Know About Accreditation 2021 | TheBestSchools.org
ちなみに私が在籍しているUniversity of the Peopleは、Nationally Accredited University(国家認定大学)です。
University of the Peopleは、国家認定機関「DEAC(遠隔教育認定委員会)」に認定されています。
また、DEAC自体も
- USDE(米国教育省)
- CHEA(高等教育認定評議会
に承認されている機関です。
また、University of the Peopleは、カリフォルニア州によって運営が承認されており、「BPPE(カリフォルニア州私立中等教育局)」によって学位を授与する権利が承認されています。
Source: Regional vs National Accreditation: What This Means for You | University of the People
Source: Accreditation | University of the People
National Accreditation機関には、
- National Faith-Related Accrediting Organizations(信仰関連の国家認定機関)
- National Career-Related Accreditation Organizations(キャリア関連の国家認定機関)
の2つのタイプがあります。以下に、それぞれの公認National Accreditation機関を表でまとめてみました。
信仰関連の国家認定機関リスト
National Faith-Related Accrediting Organizations (信仰関連の国家認定機関) | ||
認定機関名 | CHEA認定 | USDE認定 |
Association for Biblical Higher Education (ABHE) | ◯ | ◯ |
Association of Advanced Rabbinical and Talmudic Schools (AARTS) | ◯ | ◯ |
Commission on Accrediting of the Association of Theological Schools (ATS) | ◯ | ◯ |
Transnational Association of Christian Colleges and Schools Accreditation Commission (TRACS) | ◯ | ◯ |
キャリア関連の国家認定機関リスト
National Career-Related Accreditation Organizations (キャリア関連の国家認定機関) | ||
認定機関名 | CHEA認定 | USDE認定 |
Accrediting Bureau of Health Education Schools (ABHES) | – | – |
Accrediting Commission of Career Schools and Colleges (ACCSC) | – | ◯ |
Accrediting Council for Continuing Education & Training (ACCEET) | – | – |
Accrediting Council for Independent Colleges and Schools (ACICS) | – | ◯ |
Council on Occupational Education (COE) | – | ◯ |
Distance Education Accrediting Commission (DEAC) | ◯ | ◯ |
National Accrediting Commission of Career Arts and Sciences, Inc. (NACCAS) | – | ◯ |
New York State Board of Regents (NYSBR) | – | ◯ |
大学を選ぶ時に気をつけたいこと
アメリカでは、一般的に無認可の学校に通うことはあまりメリットがないと考えられています。
なぜなら、資格取得の際、就職する際、認定大学に進学・転入する場合、単位や学位が認められない可能性があるからです。
しかし、中には公認の機関に認定されていないにも関わらず、「Accredited」と銘打っている悪徳学校もあるとのことなので、注意する必要があります。
Source: All You Need to Know About Accreditation 2021 | TheBestSchools.org
また、前述の通り「正規の大学」と書かれていても、それが「認定されている大学」ではない可能性もあります。なぜなら「認定されていない正規の大学」が存在するためです。
「認定されていない正規の大学」とは、州には登録されている(正規の大学である)ものの、認定機関には認定されていない大学のことで、州によっては登録の条件も緩い可能性があります。
そのため、自分の行きたい学校がきちんと認定されているか、そして一体どの認定機関に認定されているかを確認しておくことは、非常に非常に重要です(あえて2回強調しておきます)。
次の章では、自分の学校が認定されているかどうかの確認方法や、どの機関に認定されているかを調べる方法についてご紹介します。
大学が認定されているかを調べる方法
ご自身が在学している大学または入学を希望している大学が、きちんと認定されているかどうか、そしてどの団体に認定されているかを調べるには、2つの方法があります。
一つは、大学の公式サイトをチェックすることです。認可済みの大学の多くは、大学の公式サイトを見れば「◯◯委員会に認定されている」と記載してあります。
二つ目は、CHEAのWebページやUSDEのデータベースで大学名を検索するという方法です。データベースに名前が掲載されている場合は、現在の認定ステータスを確認することができます。
双方の認定校のメリットとデメリット
University of the Peopleによると、National Accreditationのメリットは、授業料が手頃で、より高い受け入れ率を持っている可能性があるということです。
また、より職業的で技術的な道に進みたいという方にとっては、National Accreditationを受けている学校の方が適している可能性があります。
National Accreditationには、営利目的で、キャリアや宗教教育に重点を置いた学校が多いのも特徴です。
ただし、他の面においては、Regional Accreditationを受けた学校の方が、メリットを持っていることが多いです。
一つは、Regional Accreditationを受けている学校は、学業上の評判が高いということがあります。
そのため、Regional Accreditationであれば、他の学校への転入時にも、単位を簡単に移行することができます。
また、他の大学に転入するにあたって、Regional Accreditationの学校の方が、最も広く受け入れられているのも事実です。
Source: Regional vs National Accreditation: What’s The Difference | University of the People
Regional Accreditationの学校は、多くの場合、他のRegional Accreditationの学校からの単位のみを受け入れます(この場合、National Accreditationの学校の単位は受け入れてもらえません)。
つまり、National Accreditationの学校からRegional Accreditationの学校に転入・編入する際、単位の移行をしたくてもできないといったケースが起こり得るのです。
そのため、もしも転入を希望する場合は、転入希望先の学校が、National Accreditationの学校からの単位移行を受け入れるかをリサーチする必要があります。
逆に、Regional Accreditationの学校からNational Accreditationの学校に転入・編入する場合は、単位が移行できることがほとんどです。
就職・転入に有利なのはどっち?
「Nationally Accredited Institution(国家認定大学)」というと聞こえは良いですが、実際には「Regionally Accredited Institution(地域認定大学)」の方が評価されている(と考えられることが多い)のが現状です。
Regional Accreditationは、National Accreditationよりも歴史が古く権威があり、アメリカの教育省によると、アメリカの85%以上の大学が、Regional Accreditationを受けています。
多くの場合、Regional Accreditationを受けられない教育機関は、National Accreditationを受けることになります。
こちらには職業訓練を主な目的とした、学位を授与していない教育機関も多く含まれています。
また、前述の通り、どちらの認定機関にも認定されていない大学もあるので注意です。
「認定されていない大学で学位や学士号を取得したけど、就職できずに人生詰んだ…」なんてことになってしまわないよう、くれぐれも気をつけましょう。
また、前述した通り、National Accreditationの大学に転入する場合、Regional Accreditationの大学の単位の移行が認められますが、Regional Accreditationに転入をする場合、National Accreditationの単位が認められないというケースも少なくありません。
つまり、National Accreditationの大学から州立大学や私立大学に転入する場合や、Regional Accreditationの大学院に入学する場合、最初から学び直さないといけないということが起こり得るのです。
Source: 大学を出ても職がない | グローバル転職NAVI
しかし、これらの教育機関は、より具体的な焦点を持っており、従来の認定校よりも標準化されていないことから、3〜5年ごとに見直されています。
Regional AccreditationとNational Accreditationには明確な違いがあるものの、どちらかの方が優れているということを意味しているわけではない
と述べています。
さらに、一般的にRegional Accreditationの大学は、National Accreditationの大学よりもエリートであると考えられることが多いものの、それは一体自分が何を学びたいかによるとのことです。
さらに、Regional Accreditationの大学は、National Accreditationの大学よりも学費が高額になるケースが多いです。
しかし、Regional Accreditationの大学に、この料金を追加で支払うことによって、もう一度同じコースを受けることなく、単位を移行することができる場合もあるとのこと。
また、ファイナンシャルサポートに関しては、Regional Accreditationを受けている大学もNational Accreditationを受けている大学も、どちらも平等に受けられるので安心です。
Source: Regional vs National Accreditation: What’s The Difference | University of the People
UoPeopleは就職やキャリアに不利?
それでは、National Accreditationの大学であるUniversity of the Peopleは、就職やキャリアアップに不利なのでしょうか?
TheBestSchools.orgによると、特定の分野の雇用主は、National Accreditationの学位であっても、ニーズや要件を満たしている場合は受け入れます。
また、National Accreditationの学位は、専門教育やキャリア開発の要件を満たしていることが多いため、一部の分野でのキャリアアップが可能とのことです。
UoPeopleから他大学への転入は難しい?
となると、次に生まれてくるのが「National AccreditationのUniversity of the Peopleから、有名私立大学などに転入するのは難しいのではないか?」という疑問。
しかし、University of the Peopleでは、National Accreditationの一見デメリットにも思える要素をカバーすべく、多くの教育機関やプログラムと、アカデミックパートナーシップを組んでいます。
例えば、2021年7月時点のUoPeopleのアカデミックパートナーは、以下の通りです。
- Harvard Business School Online(ハーバードビジネススクールオンライン)💻
- New York University Abu Dhabi(ニューヨーク大学アブダビ校)🇦🇪
- UC Berkeley(カリフォルニア大学バークレー校)🇺🇸
- University of Edinburgh(エディンバラ大学)
- Effat University(エッファト女子大学)🇸🇦
- Long Island University(ロングアイランド大学)🇺🇸
- McGill University(マギル大学)🇨🇦
- International Baccalaureate(国際バカロレアプログラム)
UoPeopleの学生は、一定の条件を満たすことによって、これらの大学やプログラムにアクセスすることができます。
実際に日本人にも、日本人学生で初めてUCバークレーに入学したMieko Muraoさんという方がいます。
学業だけではなく、なんと経営者としてご自身のビジネスや、母親業まで両立しているMiekoさん…。同じ日本人として尊敬します。
UoPeopleがRegional Accreditationに!?
現在、National Accreditation委員会「DEAC」にNational Accreditationを受けているUniversity of the Peopleですが、近い将来Regional Accreditationになる可能性があります!
UoPeopleがRegional Accreditation委員会「WSCUC」の認定資格を取得したことは、以前から発表されており、多くのUoPeople生が「今か今か」とアップデートを待ち侘びていました。
これは、University of the Peopleが、Regional Accreditationの機関の一つである「WSCUC(The WASC Senior College and University Commission)」に、認定されるための資格を申請し、 WSCUCがUoPeopleの資格申請を検討した結果「UoPeopleには申請を進める資格がある」と判断されたというものです。
そして遂に先日、WSCUCのUoPeopleの審査状況に関するステータスが更新されました!
Source: University of the People | WASC Senior College and University Commission
キャンディ…
「Canditate」になっている!
これに関しては、先日のUniversity of the PeopleのYouTubeチャンネルでも、話題が挙がっていました。
中には「Canditateって何がそんなにすごいの?」と思われる方もいるかもしれません。確かに、日本語にするとただの「候補」…。
それでは「Candidate」とは、一体どのようなステータスなのでしょうか?
「Current Accreditation Status」の右側にある[?]をクリックしてみると、以下の画像のような説明が表示されました。
Source: University of the People | WASC Senior College and University Commission
日本語に訳すと、
教育機関は、最低レベルで認定基準のすべてまたはほぼすべてを満たしていることを実証しており、認定の実質的なレベルで基準を満たすための明確な計画を立てています。 候補資格は最長4年間で、これは教育機関が4年間の間に認定される可能性があることを証明できる場合にのみ付与されます。
と書かれています。
Source: University of the People | WASC Senior College and University Commission
さい…
呼んだ?
最長4年間!
つまりこれは、今後4年以内に、University of the PeopleがRegionally Accredited Universityになる可能性があるということです。
もしかしたら私の在学中にRegional Accreditationに切り替わるかも…?と思うと、今からとてもワクワクします。
現在在学中の学生の学位はどうなる?
在学中にRegionally Accredited Universityになった場合、Nationally Accredited Universityの時点で入学していた学生の学位は、Regional Accreditationとして認められるのかという疑問があります。
これに関しては、現在プログラムアドバイザーに確認中です。この件に関してもまた返事があり次第、こちらに追記したいと思います。
※プログラムアドバイザーから、この件についての回答が来たので、以下に追記します(7/18)。
UoPeopleが認定機関に認定を申請していたとしても、大学ではその過程でコメントすることを禁じられていることをご了承ください。ただ、UoPeopleでは、2021年3月10日から12日に、WSCUCによるサイト訪問の機会を持ちました。チームは通常通り、学生、スタッフ、および教職員との公開会議を開催し、キャンパスコミュニティのすべてのメンバーから、機関での経験について非公式な意見を聞く機会を提供しました。Regional Accreditationが確実に取得できるかどうかを保証することはできません。Accreditationが公共の立場から行われた場合、正式に通知されます。
※プログラムアドバイザーから、さらに回答があったため、以下に追記します(7/20)。
また、UoPeopleがRegional Accreditationを受ける場合、学生のCertificate(証明書)ではなくAccreditationされているのは大学であることをご了承ください。そのため、学生がまだ在学中の場合でも、私たちは学生の証明書にNational AccreditationかRegional Accreditationかを記載することはありません。それは学生には適用されず、大学に適用されます。
地域認定された際の値上げの可能性
一般的にRegional Accreditationを受けている大学は、National Accreditationの大学よりも学費が高いことが多いです。
それでは、もしUniversity of the PeopleがRegional Accreditationになった場合、入学時の登録料や各コースごとの成績評価料が値上がりする可能性はあるのでしょうか?
この疑問に対し、University of the Peopleは、もしWSCUCによってRegional Accreditationを受けても「今までと変わらず、今後も学費無料の大学であり続ける」と公言しています。
また、登録料と評価料に関しても変える予定はないとした上で、もしも変更が生じた場合は、必ず事前に学生に通知するとも述べています。
Source: Regional vs National Accreditation: What This Means for You | University of the People
変化しつつあるアメリカの認定制度
Regional Accreditation委員会の一つのWSCUCは「Broaden Our Reach」とのヴィジョンを掲げ、2020年2月26日付けで、管区としていた地域(カリフォルニア州、ハワイ州、米領太平洋諸島)外からも適格認定申請を受け付ける意向を明らかにしました。
この決定は、「学生の成功を最重要し、教育機関の使命や多様性を尊重する」という中核原則の精神に基づいており、2月14日に満場一致で可決されたものです。
Source: Core Principles Guide WSCUC to Broaden Its Reach | WASC Senior College and University Commission
米メディア「Inside Higher Ed」の記事で、CHEAの会長であるJudith S. Eaton(ジュディス・イートン)氏は
WSCUCによるこの発表は、Regional Accreditationの生活における重要な進展です。Regional Accreditation団体がその範囲を拡大する件については、過去数年にわたって多くの議論がありました。これは、Accreditationにおける革新でもあり、WSCUCの経験は我々CHEA一同学ぶべきものがあります
と述べています。
認定制度のボーダーがなくなる日も近い?
長年Regional Accreditationは、アメリカで最もレベルの高いAccreditation形態だとみなされてきました。
しかし、今回の件を受けて、専門家たちは「地理的なボーダーを取り除くことによって、学校が基準を満たせなかった場合でも、新しい認定者を探すことが容易になり、より緩い監視に繋がる」と語っています。
Source: Western US accreditor to break rank on regional boundaries | Higher Ed Dive
ちなみに、Regional Accreditationの地理的なボーダーをなくし、公平な競走の場を作ることは、教育長官のBetsy DeVos(ベッツィ・デヴォス)氏とトランプ政権が、2020年7月に発行した新ルールで展開している「高等教育に対する管理」に関する変更の一つでした。
(ボーダーを作る動きだけではなく、ボーダーをなくす対策もしていたんですね…ボソッ)
国境の壁
400ページにわたって書かれた文書に追加された変更の中には、Regional AccreditionとNational Accreditionの認定者について、「それらの区別をすべて取り除くのは困難でも、その境界線を曖昧にすべきだ」との意向がいくつもありました。
なぜなら、多くの公立や私立の非営利大学を認定しているRegitional Accreditionに認定された者は「National Accreditionの認定者よりも優れている」とみなされてしまうことがよくあるためです。
トランプ政権の当局者は、これら2種類の認定者の区別が、営利大学に対する差別に繋がると考えており、これらの区別をどうにか取り除こうと努めてきました。
ただ、この変更に対し、批判家たちからは「WSCUCが質の低い教育機関の駆け込み寺になる」「底辺への競争が激化するだろう」「高く設定されたバーを下げることになる」との声も挙がっているようです。
Source: Western accreditor will consider approving colleges outside its region | Inside Higher Ed
ただし、現時点においては、管区外からの申請は「WSCUCから適格認定を受けている教育機関」または「それに関係する教育機関」に限定されており、既にWSCUCにより適格認定を受けている大学が、管区外への移転や新設を希望する場合にのみ適用されています。
Source: 米国:地域アクレディテーション機関、従来の管区にとらわれず適格認定 | QA UPDATES
この大きな変更を受けて、今後ますますRegional AccreditationとNational Accreditationの垣根や偏見は少なくなり、より多くの学生に新たな門戸が開かれるのではないでしょうか。
最後に
このように、アメリカで大学選びをする際は「その大学が認定されているか」だけではなく、「National AccreditationとRegional Accreditationのどちらに認定されているか」をきちんと確認することが重要です。
確認を怠ると、認定の種類が違うことによって、「A大学からB大学に転入予定だったのに、単位が移行できなかった」なんてことにもなりかねません。
この先の学業やキャリアにも影響を与えかねない、これらの異なるタイプのAccreditation制度。
皆さんがご自身に合ったAccreditation制度や大学を見つけるにあたって、少しでもこの記事がお役に立てれば幸いです。
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日本語、英語、スペイン語、フランス語のマルチリンガル。2006年から海外との往復を繰り返す。Webメディア運営会社に約5年勤めたのち、フリーランスとして独立。【経済・ビジネスライター】【SEOディレクター】【コピーライター】【オンラインPR】【AI prompt engineer】として働く傍ら、アメリカの大学「University of the People」でBusiness Administration(経営学)を履修中。執筆メディア:『ダイヤモンド・オンライン』『SPEEDA』『ELLEgirl』など。Yahoo!ニューストピックス、NewsPicks掲載経験あり。 グローバルに学び、働き、旅したい人に知って得する有益な情報をお届けします。