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カンボジアの井戸はいくら?費用や支援団体8社を徹底比較

カンボジアの子ども

カンボジアの井戸建設支援について徹底解説

Hi there🌈!マルチリンガルライターのSayah (@sayah_media)です。

前回、カンボジアの井戸が完成したことを報告させていただきました。

今回はカンボジアの井戸支援を検討している方に向けて、費用や団体の比較カンボジアの井戸建設支援を行うメリット注意点などについて解説していきます。

また、イメージが湧きやすくなるよう、画像もカンボジアで撮影されたものを使用しているため、そちらも参考にしていただけたら幸いです。

※本記事に掲載している情報はすべて2022年12月時点のものです。

カンボジアの井戸建設支援レポートはこちら

【遂に完成】カンボジアの井戸建設支援レポート

カンボジアの井戸建設支援とは

カンボジアの井戸建設支援とは、その名の通り、カンボジアの貧しい村に暮らす人々に、井戸を建設する支援です。

費用は7万円、20万円などピンキリで、近年ではYouTuberのラファエルさんやコレコレさん、レペゼン地球さんが井戸建設支援を行っています。


日本では蛇口をひねれば簡単にキレイで安全な水を飲むことができます。しかし、カンボジアの貧しい農村部の場合はそうではありません。

長年の内戦の影響で水道設備の多くが破壊されたため、首都以外での整備はまだ行き届いていないそうです。

そのため、水道、電気、ガスが通っていない地域では、人々は池や川の水または雨水を、日々の生活用水や飲料水に使っています。

そのような地域に住む家庭では、毎日重たいバケツを2つも抱えて、家から何百メートルも何キロメートルも離れた池まで、何往復も徒歩で水を汲みに行きます。この水汲みは主に女性や子どもたちの仕事です。

動物の排泄物が含まれている池の水を、飲料水や料理、洗濯、水浴びなどに使用している人々も少なくなく、子どもたちが不衛生な池の水や泥水を飲み、下痢で命を落としてしまうケースが後を絶ちません

やっとの思いで水を手にしても、これで一安心とはいかず、その水が原因で子どもたちの将来が損なわれてしまうことさえあるのです。

また、溜め水ではなく井戸水を使えるようになれば、マラリアを媒介する蚊の発生防止にもつながります。水汲みの時間がなくなれば、子どもたちが学習に時間を使えるようになります。

つまり、カンボジアの井戸建設支援とは、彼らの生活や命に直結する支援であると言っても過言ではありません。

カンボジアの井戸建設支援をするメリット

本来、支援とは自分にメリットをもたらすものではなく、支援先にメリットをもたらすものです。しかし、井戸建設支援をすることで支援者が得られるメリットもいくつかあります。

ここではカンボジアの井戸建設支援を行うメリットについてご紹介します。

①人の命や人生に大きく貢献できる

やはり一番のメリットは何といってもこれではないでしょうか。たまたま私たちは日本人として生まれてきただけで、もしかしたら私たちがその子たちだったかもしれません

「親ガチャ」という言葉があるように、当然「国ガチャ」も存在します。たまたま私たちは恵まれている国と時代に生まれてきただけで、明日は我が身かもしれないのです。

井戸の建設は確実に多くの人々の命を救い、生活を豊かにします。この行動が村の人たちの笑顔につながると思うと、私にとってはそれが何よりの幸せであり、一番の「メリット」でした。

②自分の自信につながる

「誰かの人生を変えた」という事実は確実に自分を成長させます。正しい行いをすることや人の役に立つことは、自分の自信にもつながります

それがたとえ自己満であっても、気にすることはありません。支援をすることで、あなたはもっともっと自分のことが好きになれるはずです。

③仕事へのモチベーションになる

自分がちょっと仕事を頑張った時や、いつもより多く給料がもらえた時などに、少しでもそれで誰かの役に立てたら、自分自身もそれが励みになるはずです。

私はこの支援によって「明日からまた頑張ろう」という気持ちが増し、仕事へのモチベーションが高まりました。

④形として残る支援方法の一つ

井戸建設支援は、形に残る数少ない支援方法です。団体の支援活動に募金する形の支援など、プロジェクトによっては自分が出資した費用が何に使われたのかを正確に把握することができません

しかし、井戸建設支援の場合、プロジェクト単位ではなく井戸そのものにお金を寄付するため、費用の使い道を明確にすることができます。

また、井戸には自分の名前や好きなメッセージを刻むことができるので、実質「世界でたった一つの井戸」を作ることが可能です。

さらに、団体にもよりますが、一部の支援団体では現地の村を訪問することができます

支援した井戸や村の人たちの生活や笑顔を目の当たりにすることで、より現実味が湧き、心から「作ってよかった」と思えるでしょう。

⑤一生の財産になる

井戸は一生ものではありません。しかし、貧しい農村に井戸を建設し、人々の命や生活に寄与したという事実は一生ものであり、何事にも代えがたい価値を持ちます。

誰かの人生を変えたという経験は「一生の財産」として、胸の中で生涯輝き続けるはずです。

⑥一部、寄附金控除の対象になる

また、一定の要件を満たしている公益社団・財団法人や認定・特例認定NPO法人への寄付であれば、一部寄附金控除の対象となり、最大40パーセントの税金が還付されます

他にも、ユナイテッド・アースのように、税制優遇が可能な団体であれば寄付金すべてが控除になります。

そのため、人助けをしながら節税対策をすることが可能です。
Source: 公益法人制度とNPO法人制度の税制上の優遇措置の比較について : 公益法人と特定非営利活動(NPO)法人 | 内閣府

⑦企業や世間へのアピールになる

近年SDGsやESG経営が叫ばれている中、カンボジアの井戸建設支援は、企業のCSR活動を推進させ、製品やサービスのイメージアップを図り、企業のブランド力を高めます。

実際に大和ハウスグループリコーグループTOTOグループなど、井戸建設支援を行なっている企業は少なくありません。

また、特に海外では、支援活動やボランティアに貢献している学生は、就活の際に評価されやすいです(詳しくはこちらの記事をご覧ください)。

ただ、個人的には自分に対する見返りを求めるのではなく、純粋な気持ちで支援を行うのがベストだと思います。

しかし、動機はどうであっても、彼らにとっては命や生活に関わる大事な支援です。

私も本来はネットで言うつもりはなかったのですが、「こんな庶民でもできた」という事実によって、少しでも皆さんに寄付や支援を身近に感じてもらえたらと思い、発信することを決めました。

支援団体の選び方と注意点

支援団体およびプロジェクトを選ぶ際にはいくつかポイントがあります。ここでは支援団体やプロジェクトの選び方選ぶときに注意すべきポイントについて解説します。

井戸のサイズや形式に注意する

価格の安さのみを重視するのではなく、団体やプロジェクトを選ぶ際は、井戸のサイズや形式(手押し式ポンプや電動式ポンプなど)も確認しておきましょう。

小型の井戸は使用できる人数(つまり支援できる人数)が限られていたり、大型の井戸よりも寿命が短い可能性があります。そのため、事前にサイズや形式、何人まで使用可能かなどを確認しておくことが大事です。

メンテナンス代が含まれているか

プロジェクトや団体によって、費用にメンテナンス代が含まれている場合と、メンテナンス代が別途かかる可能性があります。価格を比較する際は、その点にも留意してください。

また、定期的なメンテナンスが含まれていない場合、すぐに壊れてしまう可能性や、井戸水汚染の原因にもなり得ます。

支援をやりっぱなしにするのではなく、責任持って住民の安全を確保するためにも、必ず定期的な水質点検や修理が含まれているものを選びましょう

1口1円〜の支援もある

また、井戸建設支援には、1口から募金できるクラウドファンディング型支援もあります。こちらはみんなでお金を出し合って、集まった費用で井戸を作るという支援方法で、1口の価格は1円や1,000円など、プロジェクトによってまちまちです。

この場合、プレートに刻まれる名前は他の支援者と連名か、プロジェクトによっては名前が刻まれない場合もあります。それぞれの条件を把握した上で、自分に合った支援方法を選ぶとよいでしょう。

誰もが感謝状を貰えるわけではない

一部のYouTuberや企業が「感謝状をもらった」とSNSやブログで発表していることがあります。

しかし、これは全員もらえるわけではありません。有名人や有名企業が寄付してくれた場合や、100万以上支援してくれた場合、長年貢献してくれている場合など、条件は団体によって異なります。

ただし、団体によっては支援者全員に感謝状を贈呈している場合もあるようです。例えば、カンボジアの健康及び教育と地域を支援する会(SCHEC)では、井戸完成後にカンボジア国会議員ナム氏からの感謝状が贈呈されます。

感謝状をもらうことは大変誇らしいことですが、感謝状を期待して寄付するのではなく、見返りを求めずに日々自分ができる範囲で支援を続けていくことが大切です。

カンボジアの井戸の建設に関するQ&A

カンボジアの井戸建設支援は、決して費用も安くなく、支援先が海外ということもあり、不安や懸念を抱かれる方も少なくないはずです。

ここでは実際に、筆者が申し込み時に抱いていた疑問を含め、ネット上でよく見られる質問について回答していきます。

質問①詐欺や悪徳NPOについて

近年、NPO法人を語るメールによる振り込み詐欺などが横行している影響で、NPO団体に対して懸念を抱いている方もいるのではないでしょうか。

2012年に日本経済新聞が公開した記事によると、NPO法人のクリーンな印象を利用し、NPOを隠れみのにした犯罪が後を絶たないそうです。

井戸建設が目的と謳いつつ、支援した費用が知らない誰かの懐に入ってしまうようでは本末転倒ですよね。そのため、きちんと費用の使い道が詳細に説明されていて、建設後に報告書や写真、動画などを送ってくれる団体を選びましょう。

また、ネット上でその団体についてリサーチを行うことも有効です。実際にその団体で井戸を作った方のブログやツイートなどを見て、リアルな声を把握しておくことや、ウェブサイトに財務状況や活動報告が公開されているか確認しておくことをおすすめします。

質問②井戸をめぐる争いについて

一箇所に井戸を設置することで、部族間紛争や村人同士の奪い合いにつながらないかと心配している方もいるのではないでしょうか。

実際に私も「日本人が善意で建てた井戸がキッカケで、水源の奪い合いによる大虐殺に発展した」という記事を目にしたことがあります。

そこで、日本語だけではなく英語のニュースや文献をリサーチしてみることに。しかし、2時間ほどリサーチした結果「日本人が作った井戸が原因で紛争が発生した」との記載があるソースは見つかりませんでした

そのため、他にもパシフィック・インスティチュート(Pacific Institute)が公開している「水をめぐる紛争の年表(Water Conflict Chronology)」で、紀元前から現在までの水をめぐる紛争の事例をすべて確認してみました。

が、結論から言うと、こちらの年表にはカンボジアでの事例は一つも掲載されていませんでした(2022年3月時点)。

さらに、2000年から現在までの686件の記録を見てみたところ、井戸が関連する紛争は、敵対している村や部族の水資源(命の源)を断つために、部族が意図的に井戸を破壊・汚染しているというケースや、武装集団が脅しや取引の材料として井戸を悪用しているというケースがほとんどでした。

つまり、井戸の管理や所有権が直接の引き金となって紛争に発展した事例は、記録上には数件程度しかないようです。

同年表を見ると、水をめぐる争いが最も記録されている地域は中東で、最も多い国はイエメンとなっています。次に多いのがアフリカ(ソマリアやモロッコなど)で、その次に多いのが南アジア(インドやパキスタンなど)でした。

善意で建てた井戸が殺し合いの火種になってしまうなんて、こんなに悲しいことはありませんよね。そのため、支援先を検討する際は、事前にその国や地域の水紛争問題を把握し、その支援が本当にプラスに作用するのか慎重に考慮しましょう。

本当の支援は「井戸を作ること」ではなく、その井戸で「キレイな水を使ってもらうこと」です。井戸を建設して終わりではなく、井戸の今後に対しても責任を持って支援を行いましょう

質問③宗教との関係性について

ネットを見る限り、このような支援を行う上で、カルト宗教の勧誘などを心配されている方も多いようです。

近年、大学生のサークルやボランティア団体を狙って、勧誘・洗脳しようとするカルト的宗教団体の存在が明らかとなっています。
Source: 危険な団体による勧誘について | 法政大学

しかし、原則としてNPO団体には、特定非営利活動促進法第2条第2項第2号イにおいて、活動が「宗教の教義を広め、儀式行事を行い、及び信者を教化育成することを主たる目的とするものでないこと」および政治上の主義を推進し、支持し、又はこれに反対することを主たる目的とするものでないこと」というルールが定められています。
Source: よくある相談例(FAQ) 総論 | 神奈川県ホームページ

また、認定NPOまたは認定を目指している団体は「営利企業、政治・宗教団体への寄付」が禁止されています。そのため、不安な方は認定NPOを選ぶとよいでしょう。
Source: 令和3年8月改訂版 | 宮崎県NPOポータルサイト

※NPO=Non-Profit Organization(非営利団体)

ただし、団体すべてがNPO団体または認定NPO団体というわけではありません

そのため、井戸建設支援を行う際には、必ずブログやSNSなどで「怪しい勧誘を受けた」という事例がないか、団体の評判を確認しておくことをオススメします

質問④ヒ素問題について

カンボジアの井戸建設の際の懸念の一つにヒ素問題があります。2008年にNHKが海外NGOの支援で建設された井戸によるヒ素中毒を取り上げて以来、問題視されています。

作ったら終わりではなく、その後の井戸水の品質も非常に重要です。せっかくの支援を無駄にしないためにも、ヒ素対策やメンテナンスをきちんと行なっている団体を選びましょう

また、その地域がヒ素が出にくい地域であるかを確認しておくことも大切です。2012年にArsenic Center Cambodiaが作成した下のマップを見ると、主要河川、メコン川、バサック川、トンレサップ川の近くの堆積物で発生することが分かります。

Source: Arsenic risk areas of Cambodia (Arsenic Center Cambodia, 2012)

2009年に公開された下記のデータによると、主にカンダル州とプノンペンの近郊にあるメコン川流域の約100万人が、慢性ヒ素中毒のリスクにさらされています

Source: Distribution of arsenic level in “At Risk ” areas (Sophary, 2009)

特にメコン川とバサック川の水路の近くがリスクが高く、最もリスクの高いゾーンは、プノンペンの南あたりです。

ヒ素汚染が最も深刻であると言われているカンダル州のPreak Russey村で、2006年に実施された水質調査では、100基の井戸の内80基の井戸でWHO基準の40〜50倍ものヒ素が発見されています。村人のほぼ全員である300人にヒ素中毒の症状があり、すでに4人が死亡しているとのことです。
Source: カンボジアの砒素汚染|特定非営利活動法人アジア砒素ネットワーク

また、アジアで発生しているヒ素汚染に関して調査している谷正和・九州大学准教授は、雨水や川の水で暮らせるエリアにも安易に井戸を建てることで、ヒ素入りの水がわざわざ地下から掘り起こされていることについて問題視しています。
Source: 「日本の寄付」井戸からも毒物 善意なら何をしてもいいのか | J-CAST テレビウォッチ

井戸の費用と団体8社を比較

カンボジアの井戸建設支援を検討しているものの、実際の値段はいくらぐらいなのか気になっている方も多いのではないでしょうか。

ここでは主要の支援団体8社それぞれの井戸建設費用についてまとめてみました。

①バランスコミュニケーション


Source: カンボジア支援 | バランスコミュニケーション

私がお世話になったのは、こちらのバランスコミュニケーション様です。法人化することで寄付金から活動経費を賄う必要が出てくるため、法人化をせずに「100%寄付を現地に届ける」ことをポリシーとして掲げています。

ウェブサイトに費用の内訳や建設支援会社の資料など、どの団体よりも詳細に記載されているため安心です(活動経費は代表の江見様が個人負担してくださっています)。

また、同じ値段で建設支援会社に直接依頼することも可能で、建設支援会社の連絡先なども記載されているため、最初から最後まで非常に安心してやりとりすることができました。

井戸のサイズ 小型井戸 大型井戸
建設費用 55,000円 200,000円
費用の内訳 工事費、水質検査、完成までにかかる諸費用、建設後1年間保証、3年間の故障修理対応費用5,000円込み 工事費、水質検査、完成までにかかる諸費用、建設後1年間保証
使用人数 2〜3家族 50人〜100人以上
設置場所 貧しい村 貧しい村または小学校
エリア コンポンチャム州、シェムリアップ州、
クロチェ州など 
建設期間 2〜3ヶ月 3〜4ヶ月
使用可能期間 修理なしで3〜5年
(10年以上使用されている事例も有り)
メンテナンス次第で
10年以上
(水脈が切れず、壊れなければ半永久)
レポート・写真 レポート送付有り
(建設地の写真・動画、井戸建設の様子、
村人たちのお礼のメッセージ入り)

ネームプレート 名前やメッセージ入り石碑プレートを設置
感謝状

寄附金控除:不可

②NPO法人 ユナイテッド・アース


Source: NPO法人ユナイテッド・アース

  • ウェブページ:https://donate.united-earth.jp
  • 電話番号:078-360-3358(平日9:15〜18:00)
  • FAX:078-360-3308
  • Eメール:info@united-earth.jp
  • 問い合わせフォームはこちら

ユナイテッド・アースは、2006年に設立され、海外自立支援や平和推進、環境保護、災害復興支援などに取り組んでいるNPO団体です。docomoやJTB、北里大学など、多くの協賛・協力企業/団体を抱えています。

信頼資本財団運営の「共感助成」を通して寄付を行うことによって、一般損金算入限度額に加えて特別損金算入限度額も適用されるため、経費扱いの控除対象額が大きくなります

井戸のサイズ 記載なし
建設費用 70,000円
費用の内訳 記載なし
使用人数 20人〜
設置場所 貧しい村
エリア 記載なし
建設期間 約6ヶ月
使用可能期間 記載なし
レポート・写真 記載なし
ネームプレート 名前入りのオリジナル看板を設置
感謝状 記載なし

税制優遇:可(詳しくはこちら

③NPO法人 21世紀のカンボジアを支援する会

Source: NPO法人 21世紀のカンボジアを支援する会

  • ウェブページ:https://www.aac21.net/ido
  • 電話番号:03-3991-2854(平日 9:30〜16:30)
  • FAX:03-3557-1213
  • Eメール:info@aac21.net
  • 問い合わせフォームはこちら

21世紀のカンボジアを支援する会は、カンボジアに特化して支援を行なっているNPO法人です。井戸は地元の教育局経由でリクエストがあった小学校に設置されるため、無駄な場所に設置されるリスクがありません

工事後は生徒や理事長または役員が出席し、贈呈式が行われ、その様子も写真つきでレポートされます。また、額入り感謝状も授与されるそうです。

井戸のサイズ 記載なし
建設費用 200,000円
費用の内訳 工事費、水質検査、
ネームプレート代、
完成までにかかる諸費用込み
使用人数 記載なし
設置場所 小学校
エリア  記載なし
建設期間 記載なし
使用可能期間 故障なしで7年〜10年
レポート・写真 生徒の贈呈式の様子を
写真入りで後日レポート
ネームプレート コンクリート製ネームプレート
感謝状 額入り感謝状有り

寄附金控除:記載なし

④NPO法人 カンボジアの健康及び教育と地域を支援する会(SCHEC)

Source: SCHEC/NPO法人 カンボジアの健康及び教育と地域を支援する会

SCHEC(Support for Cambodian Health, Education & Communities)は、2002年からカンボジアのシェリムアップ州を中心に、井戸掘り事業や小学校校舎建設など、貧困格差をなくすための活動をしているNPO法人です。

2017年には井戸の寄贈合計数3,000基を突破。また、1度で1,000人以上の村人に水を供給できる簡易水道の建設も行なっています。

今回ご紹介している8社の中で費用が一番安く、25,000円で井戸を作ることが可能です。

井戸のサイズ 2m四方のコンクリートを張った
手押しポンプ付き井戸
建設費用 25,000円
費用の内訳 記載なし
使用人数 平均7人の家族構成で3〜7世帯
設置場所 貧しい村
エリア 主にシェリムアップ州
建設期間 年2回(4月と11月)の
現地視察の約1ヶ月前に発注
使用可能期間 消耗品などの交換をすれば
数十年以上
レポート・写真 年2回の現地訪問後に
報告書と写真を送付
ネームプレート 名前入り看板の設置
感謝状 カンボジア国会議員ナム氏からの
感謝状の贈呈有り

寄附金控除:記載なし

⑤NPO法人 スロラニュプロジェクト

Source: 村の貧困家庭に井戸建設支援 | NPO法人スロラ二ュプロジェクト

スロラニュプロジェクトは、カンボジアのシェリムアップ州にて、障がいを持った子どもたちを教育生活支援しているNPO法人です。主にバンゴア村の貧困家庭に井戸の支援を行っています。

ほとんどの団体の井戸のタイプが打ち込み井戸・打ち抜き井戸であるのに対し、スロラニュプロジェクトでは掘り抜き井戸を利用しているのも特徴です。掘り抜き井戸とは、貞子で有名な映画『リング』に出てくるような、古いタイプの井戸になります。

完成後の報告に関しては、費用が「別途」となっており詳細が記載されていなかったため、事前の問い合わせが必要そうです。

井戸のサイズ 記載なし
建設費用 約430ドル(為替の関係で変動有り)
費用の内訳 材料費:約250ドル、
人件費:約180ドル、
完成後の報告費用:別途
使用人数 記載なし
設置場所 貧しい村
エリア シェリムアップ州
(主にバンゴア村)
建設期間 記載なし
使用可能期間 記載なし
レポート・写真 記載なし
ネームプレート 記載なし
感謝状 記載なし

寄附金控除:記載なし

⑥認定NPO法人 アジアチャイルドサポート

Source: 認定NPO法人 アジアチャイルドサポート

アジアチャイルドサポートは、カンボジア、ミャンマー、タイ、モンゴル、スリランカ、日本国内で157件もの支援事業(うち、継続事業は124件)を行っている認定NPO法人です。認定NPO法人なので、寄附金控除など税金の優遇措置を受けることができます。

アジアチャイルドサポートは、カンボジア、ミャンマー、スリランカ、ネパールで井戸の建設を支援しています。こちらは2022年3月現在、ミャンマー国内のみ井戸の建設を行なっているそうです。

井戸のサイズ・種類 小型井戸 大型井戸 発電機つき大型井戸
建設費用 150,000円 450,000円 600,000円
費用の内訳 建設費用、水質検査費用込み
使用人数 150人〜200人 1,500人〜2,000人 1,500人〜2,000人
設置場所 記載なし
エリア 記載なし
建設期間 6ヶ月〜1年(5月〜11月は雨季につき、
工事が度々中止されるため)
使用可能期間 記載なし
レポート・写真 井戸の完成写真、地図、
ヒ素検査報告書の送付有り
ネームプレート 縦30cm × 横30cmのネームプレートを設置
感謝状 記載なし

寄附金控除:可(詳細はこちら

⑦公益社団法人 アジア協会アジア友の会(JAFS)

Source: 井戸を贈る活動|公益社団法人 アジア協会アジア友の会(JAFS)

「水」資源の開発事業からスタートしたアジア協会アジア友の会(JAFS)は、18ヵ国・70ヶ所のAFSネットワーク現地団体と連携し、環境保全、教育支援、生活自立支援を行なっている公益社団法人です(2021年時点)。

カンボジアだけではなく、インドやフィリピン、スリランカ、ネパール、バングラデシュでも井戸を作ることができます。

費用を集めるのが難しいという方は、少ない金額で井戸クラウドファンディングにも参加することが可能です。

井戸のサイズ 記載なし
建設費用 280,000円
費用の内訳 5年間の維持管理費込み
使用人数 記載なし
設置場所 貧しい村
エリア 記載なし
建設期間 記載なし
使用可能期間 記載なし
レポート・写真 井戸完成報告書と写真パネル有り
ネームプレート 個人またはグループの
名前入りプレート有り
感謝状 記載なし

寄附金控除:可(詳細はこちら

⑧公益社団法人 プラン・インターナショナル・ジャパン

Source: 国際NGOプラン・インターナショナル

プラン・インターナショナルの日本支部であるプラン・インターナショナル・ジャパンは、内閣府に認定された公益財団法人です。

1937年に設立されたプラン・インターナショナルは、国連に公認・登録された国際NGOとして、これまでに5,000万人以上の子どもを支援し、約70カ国で活動しています(2021年時点)。

主要のプロジェクトに井戸建設支援はないのですが、オーダーメイドでカンボジアに井戸を作った事例があるとのことです。オーダーメイド式なので、費用を始め、詳細はプラン・インターナショナル・ジャパンへの問い合わせが必須となります。

寄附金控除:可(詳細はこちら

自分で井戸掘りしたい人向けのツアー

他にも、実際に自分で井戸掘りをする形の支援もあります。現在では、ファイブスタークラブスケッチトラベルなどが井戸掘り体験ボランティアツアーを催行しているようです。

「ファイブスタークラブ」の費用

  • 164,800円(6日間滞在)
  • 井戸代金込み
  • 寄贈者看板代金込み
  • 空港・ホテル間送迎付き
  • アンコール遺跡入場券付き
  • 成田発(ベトナム航空)

「スケッチトラベル」の費用

  • 井戸の寄付のみ:300 米ドル
  • 大人1名:400 米ドル
  • 大人2名以上:1人あたり200 米ドル

「寄付する井戸は自分で掘りたい!」という方は、ぜひこれらのツアーを検討してみてはいかがでしょうか。

カンボジアの井戸支援の費用や相場

カンボジアの井戸支援にかかる費用の相場は、一般的に7万円ほどだと言われています。

しかし、上述した支援団体8社の費用を比較すると、25,000円から600,000円のものまで建設費用はピンキリです。

「支援団体の選び方と注意点」の項でも触れた通り、サイズによっても費用は変わってくるため、カンボジアの井戸支援を行う際は、井戸のサイズ費用の内訳をきちんと確認しておきましょう。

また、繰り返しになりますが、建設費用や人件費だけではなく、きちんと水質検査費用修理費用などの保証やメンテナンス代が費用に含まれているかをチェックすることも大切です。

費用に保証やメンテナンス代が含まれている場合は、期間が何年間有効であるかも確認しておくとよいでしょう。

私がカンボジアの井戸支援をした理由

私がカンボジアに井戸を作ろうと決めた理由はいくつかあります。

大学で履修したマクロ経済学で、貧困問題や教育問題など、世界中のさまざまな問題について学びました。世界の現実や事情を知ったら、行動せずにはいられませんでした

また、詳しくはこちらの記事で解説していますが、カンボジアの実情を知ったら、とてもじゃないけど見過ごすなんてできないと思わざるを得ないほどに、心がキューッと締め付けられたのです。

元々形あるものよりも、海外旅行や学び(本や大学、語学レッスン)など、見えないことに時間やお金を費やすことが好きな私

そんな私の座右の銘は「知識と経験は人生の財産」という自作の言葉です。

18歳の頃から「海外に行く」という目標を日々の糧に、ハードワークに励んできたのですが、コロナ渦で海外に行くことが困難になり、

  • 何のためにこんなに頑張っているのか
  • 仕事へのモチベーションをどこに置くべきなのか

などの理由から、自分を見失ってしまった時期がありました。

2017年ハワイに滞在中、タンタラスの丘にて

そこで頑張って働いた分、少しでも誰かに還元できたらと思い、始めた支援活動。そこで新たに見つけたのが、カンボジアの井戸建設支援でした。

元々カンボジアの子どもたちに英語を教えるボランティア活動がしたいと長年思っており、仕事の都合でずっと実現できていなかったため、コロナ渦の今、この方法なら少しでも貢献できそうだと思いました。

また、一般的な支援とは異なり、「井戸」としてしっかり形に残る支援であることも魅力的でした。

支援先のカンボジア人家族(画像の使用は事前に許可を得ています)

結果的にこの支援は、彼らのためになるだけではなく、私の自信や自己肯定感を高めてくれました

彼らの笑顔は、「また仕事がんばって支援しよう」と今後の仕事に対するモチベーション次の目標を与えてくれました。

たまたま私たちは運よく「日本」という経済的に恵まれている国に生まれてきただけで、立場が逆だった可能性だってあります

こんな時期ではありますが、むしろこんな時期だからこそ、少しでも世界に笑顔が増えてくれたらいいなと思いました。

支援や寄付、ボランティアなどの活動をすると、自己満や偽善だと思われることもあるかもしれません。

しかし、そんな心ない声は気にしなくていいと思います。私たちが幸せを与えたい相手はその人たちではなく、こんなに素敵な笑顔を持ったこの子たちなのだから。

私の名前とメッセージが入った石碑(ネームプレート)を持っている、井戸支援先のカンボジア人家族(画像の使用は事前に許可を得ています)

本来は私も、SNSやブログには公開するつもりはなかったのですが、こんな庶民の私にもできたという事実や、「少しでも支援を身近に感じてもらえたら」という願いから、今回投稿させていただきました。

今は1円から寄付できるクラウドファンディングや、不要になった本や服の寄付など、さまざまな寄付があります。

できる人ができる時にできることを、自分の身の丈にあったレベルですれば良いと思います。

完成した井戸と支援先のカンボジア人家族(画像の使用は事前に許可を得ています)

小さな支援でも塵も積もれば山となるため、「こんなはした金じゃ何の役にも立たない」と思う必要はありません

私たちが1回の外食で使っている1,000円は、カンボジアの農家の月収に匹敵する価値です。

「セレブや起業家がするもの」といったバイアスが少しでもなくなり、寄付や支援がより身近になることを祈るとともに、少しでも世界中に笑顔と平和が溢れることを願って

▲Sayah Mediaは、国際協力NGOワールド・ビジョン・ジャパンを介して、中南米エクアドルの貧困地域に住む女の子のスポンサーチャイルドとして、生活や教育を支援しています。誰でも1日あたり150円の支援でチャイルド・スポンサーになれるため、こちらもよろしければご覧ください。