UoPeopleの授業はどのくらい難しい?
9月3日からUniversity of the People(UoPeople)のTerm 1がスタートし、仕事と学業の両立で毎日あくせくしているマルチリンガルライターのSayah (@sayah_media)です。
10月2日にはUnit 5がスタートし、Term 1の後半に突入しました。というわけで、本稿では、私が現在受講しているコース「UNIV 1001: Online Education Strategies」の前半(Unit 1からUnit 4まで)の学習内容についてレビュー!
授業の難易度、必要な英語力、実際にかかった学習時間などについて、解説していきます。
非常に長くなるため、全て読むのが面倒だという方は、お気軽に下記の目次から、ご覧になりたい章までお進みください☺️
※本稿に書かれている情報はAY2021-T1時点のものです。コースの内容は変更される場合があります。また、難易度などはあくまでも個人の感想です。
▼「Online Education Strategies」後半レビューはこちら
「UNIV 1001: Online Education Strategies」概要
「Online Education Strategies」は、文字通り、今後University of the People (UoPeople)でオンライン学習を進めるにあたって必要なことや、効率よく効果的に学習するための戦略を学ぶコースです。
University of the People(UoPeople)公式サイトのコース概要には、
- 学生がUniversity of the Peopleと共に、オンライン学習環境への旅を成功させるための準備に役立つ
- University of the Peopleの学生が利用可能なリソース、アカデミックメソッド、および学生の成績に対するポリシーや期待について習得できる
- 時間やストレスのマネジメント、効果的な学習スキル、学習プロセスのオーナーシップについてなど、オンライン学習を成功させるための戦略の概要を学べる
コースであることが明記されています。
出典:Online Education Strategies- Univ 1001: Learning Materials | University of the People
(社会人大学生でも使える学割制度についてはこちらで解説中!)
↑UoPeopleについても言及されている書籍
各Unitの学習テーマ
本章ではOnline Education StrategiesコースのUnit 1からUnit 9までの学習内容について、ざっくりとまとめていきます。まず、それぞれのUnitの概要は下記の通りです。
- Unit 1: Welcome to University of the People(University of the Peopleへようこそ)
- Unit 2: University of the People Educational Methods(University of the Peopleの教育メソッド)
- Unit 3: Academic Integrity and Ethical Conduct(学問における誠実性と倫理的行動)
- Unit 4: What is Critical Thinking and Why is it Important?(クリティカルシンキングとは?また、クリティカルシンキングの重要性)
- Unit 5: Self-Directed Learning(自己管理学習について)
- Unit 6: Study Skills and Note Taking(学習スキルとメモの取り方)
- Unit 7: Time and Stress Management(タイムマネジメントとストレスマネジメント)
- Unit 8: Test Preparation and Final Reflection(テストの準備と最終的な考察)
- Unit 9: Course Review and Final Exam(コースレビューと学期末試験)
9週目(Unit 9)はこれまでの復習とテスト期間になるため、実質の学習期間は約8週間になります。この8週間で、UoPeopleでオンライン学習をするにあたって必要な術や心意気を学んでいきます。
一番最初に受講が必要なコース
「Online Education Strategies」は、University of the People(UoPeople)に入学後、全ての学部で一番最初に受講しなければいけない必修科目です。UoPeopleでは、最初の学期のみ、大学から2つのコースに自動登録されます(履修登録は不要です)。
一つはこちらの「UNIV 1001: Online Education Strategies」で、もう一つのコースは大学から割り当てられます。ちなみにBusiness Administration(経営学部)の私には「BUS 1101: Principles of Business Management」が割り当てられていました。
私の場合、Term 1は1コースのみの受講にしようと思い、もう一つのコースはキャンセルしたのですが、この際、「Online Education Strategies」をキャンセルすることはできません。また、「入学後、一番最初に受講しなければならないコース」と述べましたが、もし出願時に英語能力の証明ができなかった場合は、本コースの前に英作文コース(ENGL 0101: English Composition)を受講し、一定の成績を収める必要があります。
尚、英作文コースは、通常のコースと同じく1 Term分(9週間)受講しなくてはなりません。そのため、できるだけ早くDegree seeking studentになりたいという方は、英語能力が証明できる資格を提出して、英作文コースをスキップすることをオススメします。
ちなみにこちらの記事では、2日で取得可能で、実際に私が英作文コースをスキップするために受験した、大学への英語能力の証明にもなる「Duolingo English Test」について詳しく解説しているので、よろしければご覧ください。
毎週の課題量
「アメリカの大学は、日本の大学と比べて課題の量が多い」という話を、耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。仕事やプライベートと両立するにあたって、スケジュールの見通しを立てるためにも、おおよその課題量は知っておきたいものです。ここでは、課題ごとに指定される文字数について解説していきます。
【Discussion Assignment】
Discussion Assignmentでは、割り当てられたトピックに対し、自分の意見を最低250 words以上(750 words未満)で投稿します。また、投稿後は、3人のクラスメイトに対し、最低100 words以上(3〜4文)でフィードバックをする必要があります。
【Written Assignment】
Written Assignmentでは、直接入力するのではなく、Wordファイル(または相応のドキュメント)で提出します。Unitによって異なりますが、指定のページ数は1〜2ページまたは2〜3ページです。
また、Written Assignmentを提出した次の週には、割り当てられた3人のクラスメイトの提出物に、フィードバックをしなければなりません。Unitによって異なりますが、本コースの評価項目は6〜10個で、最後に全体的なフィードバックを記載します。他の生徒に対する評価も自分の成績に入るため、的確に評価し、丁寧にフィードバックする必要があります。
【Learning Journal】
Learning Journalでは、指定のトピック(その週学んだことや今後の戦略など)に対し、最低 400 words以上で意見を述べます。採点は生徒ではなくインストラクターが行います。また、本コースでは、後ほど説明するAPAフォーマットの練習なども毎週していきます。さらに、他のアクティビティは水曜の午後23時55分(UoPeople時間)に終了しますが、Learning Journalの締め切りは翌日木曜の午後23時55分です。
こうして見ると、一見読み書きの量が大変多く感じられますが、他のコースではリーディングの量がさらに増えるとのことです。
また、APAフォーマットは慣れるまでは難しいですが、私としては、インストラクターが評価をするLearning Journalが、この中で最もリラックスして取り組むことができました(インストラクターとの相性もあるかもしれません)。
以下は日本語で書かれている貴重なAPA論文作成マニュアル。
こちらも英語論文で使える表現がたくさん紹介されていて、表現に困った時やレパートリーを増やすのに、大変有用です。
課題の難易度
リーディングに関しては、基本的には今後オンライン大学生活を始めるにあたって必要なことが書かれているため、個人的には苦なく読むことができました(量は別として)。
また、資料も全体的に読みやすく書かれているため、日頃から記事を読むことやアカデミックな英語に慣れている方であれば、頻出単語に関してもそんなに難しくないのではないかと思います。
ただ、ライティングの提出課題に関しては、ユニットが進むにつれて、頭をひねるものが増えていきます。また、アメリカの大学のシステムに不慣れだという方は、論文の書き方や専門用語など、事前にある程度リサーチしておいた方が賢明かもしれません。
ちなみに実際に私がいくつか購入した中で、英語論文を書くにあたって、参考になった参考書を載せておきます。
こちらの『大学生のためのアカデミック英文ライティング』と『経済学・経営学のための英語論文の書き方』は、イントロダクションから結論までの構成や、よく使用される語句、研究の信頼性を高めるための戦略など、英文ライティングの基本について詳細に書かれています。
必要な英語力
UoPeopleで必要な英語力に関してですが、UoPeopleでは、基本的にリーディングとライティングのみで学習を進めて行きます。そのため、スピーキングやリスニングが苦手という方でも安心です。
実際に、UoPeopleには、英語が話せない日本人生徒も何人かいるのですが、現在はGoogle翻訳やDeep L、英辞郎のような、精度の高い翻訳ツールや辞書アプリがたくさんあるため、特に問題なく学べているとのことでした。
その分、UoPeopleではライティングがとても重視されており、ライティングの課題が多い上、文法なども採点対象になります。そのため、Grammarlyなどの英文添削ツールを使う他、自分でもダブルチェックを行うことをオススメします。
もし機械による校正が不安な場合は、166円からのオンライン英語添削【IDIY(アイディー)】
こちらはNHKの「おはよう日本」や「東洋経済」でも取り上げられた、24時間365日間対応の英語添削アプリです。納期に関しても、ビジネス版の「アイディービジネス」を使用すれば、最短3時間で納品してもらうことができます。
他に、「TopAdmit」という、アイビーリーグレベルの翻訳をしてくれる、24時間365日いつでも対応可能なエッセイ編集サービスもあります。
また、UoPeopleではよく読書課題に動画が含まれていることがあります。しかし、テストの出題などは基本的に教材から出ることが多く、最近はYouTube動画でも自動翻訳機能が付いているので、おそらくリスニングが苦手という方でも、そんなに支障はないのではないかと思います。
Unit 1: Welcome to University of the People
それでは、実際に各ユニットごとの学習内容やタスク、感想、実際にかかった学習時間などについて解説していきます。
Unit 1のトピック
まず、Unit 1の主なトピックが、こちらの4つです。
- Orientation to the University of the People online campus and classroom format
(UoPeopleのオンラインキャンパスと教室の形式への適応) - College success
(大学での成功) - Community of learning
(学習コミュニティ) - APA format
(APAフォーマット)
University of the Peopleのラーニングガイド(学習ガイド)には、このUnitを終えると、
- University of the Peopleが所有しているリソースを、効果的にナビゲートし、教室を上手に利用して課題を完了し、必要に応じてサポートを利用することができます。
- 学生が学習コミュニティからどのようなメリットを得られるかについて、話し合うことができます。
- 大学の成功の個人的な定義を特定して、説明することができます。
- APA形式を認識し、基本的なAPAの引用や参照方法について備えます。
と記載されています。
出典:Learning Guide Unit 1 | University of the People
Unit 1のタスク
また、実際にUnit 1で生徒が行うタスクは下記の7つです。
- コースのシラバスを読む
- ラーニングガイドと読書課題を読む
- LRCにあるSustainability Moduleを完了する
- Sustainability Module Student Experience Surveyを受ける
- ディスカッションフォーラムに投稿、コメント、評価する
- APA activityを完了する
- ラーニングジャーナルを提出する
ポイント①Syllabusで全体の流れを確認する
Syllabus(シラバス)とは、日本語で言うと「講義要項」のことです。ここにはこのTermで学習する各Unitごとのトピック、スケジュール、コースの概要、狙い、要件、ポリシー、評価方法などが事前に掲載されています。Termが開始したら、このシラバスを読んで、学習内容やスケジュールを把握しておきましょう。
ポイント②Discussion Forumの投稿は三者三様
ディスカッションアサインメントでは、「Discussion Forum」というプラットフォーム(Facebookのタイムラインのようなものをイメージすると良いかもしれません)上で、指定されたトピックについての自分の意見を投稿するというものです。
基本的に毎回文字数が指定されています。きちんと要件やトピックの内容を把握し、投稿前に自分の投稿が全ての質問に答え、全ての要件を満たしているどうかを確認しておきましょう。また、編集ができるのは投稿後5分以内です。5分を過ぎると編集ができなくなってしまうため、注意してください。
5分経つと、投稿済みの他の生徒の投稿や、その投稿への返信が見れるようになります。正直、ファンデーションコースということもあってか、内容は三者三様です。明らかに要項がきちんと守られていない投稿(指定された文字数より少ない、など)もあれば、読むだけで刺激を貰えるような投稿もたくさんあります。また、このアサインメントのみ、文字数の下限だけではなく、文字数の上限があるので、注意してください。
自分の投稿が終わったら、3人の生徒の投稿を選び、10段階で評価します。ここでは、少なくとも100 words以上でフィードバックをする必要があります。ちなみに、コメントや返信は匿名ではありませんが、どの生徒が何点付けたのかについては非公開です。
私のクラスの場合、その週の内(土日まで)に投稿するメンバーは毎週決まっていて、週が明けても心配になるくらい投稿数が少ない時も多々ありました。大半の生徒は締め切りギリギリに投稿しているようで、週明けになると急に投稿数が増えだします。
最初は48名ほどいたクラスメイトも、Termの半ばになると半分ほどに減ってしまったのですが、投稿が早い生徒は投稿の質もモチベーションも比較的高い方が多く、最後まで残っていたような気がします。
Unit 1のレビュー
Unit 1では、UoPeopleでのオンライン学習の進め方や、それぞれのツールや機能の使い方、それぞれの課題のシステム、タイムマネジメントなど、今後UoPeopleで学習を開始するにあたって必要不可欠である基本的なことを学びました。
初回のUnitというだけあって、内容も比較的簡単で、ボリュームも少なかったように思えます。オリエンテンションコースを受講した方にとっては、復習のような内容になっているため、より楽に受講できるのではないかと思います。
他に、LRC内にあるSustainability moduleを読んだ後、サステナビリティ(持続可能性)についての調査に回答します。サステナビリティ(持続可能性)は、アメリカで頻繁にトピックに挙げられる言葉です。
サスナビリティという単語自体は聞き慣れなくても、「SDGs(Sustainable Development Goals=「持続可能な開発目標」)」「MDGs(Millennium Development Goals、ミレニアム開発目標)」という言葉なら聞いたことがあるという方も、おそらく少なくないのではないでしょうか。
特にSDGsは世界中で頻繁に議題に挙げられており、普段ビジネス記事を執筆している筆者も、インタビューやミーティング、イベント(セミナーなど)で、頻繁にこの言葉を耳にします。そのため、特に経営学部志望の方は、基礎知識として頭に入れておくと良いかもしれません。
※7/1 追記:2021年に入ってから、日本でもサステナブルという言葉をあちこちで耳にするようになり、執筆時点よりも一般的になってきています。
Unit 1の学習時間
学習時間:15時間
前半はUoPeopleの学習システムについての内容が多く、オリエンテーションコースの復習のような感じでスラスラと読み進めることができました。リーディングの量としては多くありませんでしたが、APAフォーマットについてリサーチするのに時間を要してしまいました。
私はUoPeopleのWebサイトから文章を引用したため、APAフォーマットについて調べる必要があったのですが、APAフォーマットの詳細については次のユニットで詳しく学び、使用していくため、このユニットではラーニング・ガイドに掲載されている概要を読む程度で問題ないかと思います。
また、前述のサステナビリティについてですが、この調査はあくまでも学生がサステナビリティについて元々どの程度知っているかを調査するためのものです。私はこのサステナビリティについてリサーチし、深堀りしてしまったため、結構な時間を費やしてしまったのですが、この項目はあくまでも「Survey」です。そのため、個人的にはCollaborative LearningやPeer Learning(Peer-to-Peer Learning)の方に、時間をかけることをオススメします。
Unit 2: University of the People Educational Methods
2週目のテーマは、「University of the Peopleの教育メソッド」です。今後UoPeopleで学習を進めていくにあたって非常に重要となる、UoPeopleの教育メソッドや仕組み、考え方、狙いなどについて学んでいきます。
Unit 2のトピック
本Unitのメイントピックは、下の5つになります。
- How to participate in Discussion Forums
(ディスカッションフォーラムへの参加方法) - Writing strategies
(ライティング戦略) - Peer assessments
(ピア・アセスメント、相互評価) - APA format
(APAフォーマット) - Learning Objectives
(学習目標)
University of the Peopleのラーニングガイドには、このUnitを終えると、
- オンラインディスカッションフォーラムを成功させるために必要な要素を説明できるようになります。
- ライティング戦略を適用して、ライティングの課題を遂行することができます。
- UoPeopleの相互評価メソッドを活用して、学生の論文を評価することができます。
- 基本的なAPAフォーマットの引用と参照を認識し、備えます。
と書かれています。
出典:Learning Guide Unit 2 | University of the People
Unit 2のタスク
Unit 2のタスクはこちらの5つです。
- ラーニングガイドとリーディング・アサインメントを読む
- ディスカッションフォーラムに投稿、コメント、評価する
- ライティング・アサインメントを完成させ、提出する)
- ラーニングジャーナルを提出する
- セルフ・クイズを受ける
ポイント①APAフォーマットの習得は必須
APAフォーマットとは、 アメリカ心理学会(APA)の『APA論文作成マニュアル(Publication Manual of the American Psychological Association)』で規定されている書式のことです。学術論文などのアカデミックな文書によく使われます。
特にこのAPAスタイルは、アメリカの大学でエッセイなどを書いた経験がない限り、馴染みがないという方も多いのではないでしょうか。そのため、覚えなくてはならないルールがたくさんあり、日本人にとっては最初は難しいかもしれません。
例えば、論文にリサーチした結果をまとめる際は、信頼性のある情報やデータを見極めて選別し、引用した参考文献を正確に記入する必要があります。しかし、このルールを知らずに、引用先を記載しなかったり、正しく引用しなかったりするだけで、知らぬ間に自分の論文が「盗作」だとされてしまう可能性も。そのため、きちんとルールを習得しておく必要があります。
こちらの本はアメリカ心理学会(APA)が発行している最新版(7th edition)の解説本です。
また、APAフォーマットの習得は、今後UoPeopleで学習を進めていくにあたって、必要不可欠です。「Online Education Strategies」では、APAフォーマットでのPaperの書き方について、Unitごとに順を追って学んでいくのですが、自分でも色々なサイトを見て学んだり練習したりして、早めに慣れておくことをオススメします。
そうすることで、Written AssignmentやDiscussion Forumで自らが評価する側になった際にも、すぐに間違いを見つけることができ、的確なフィードバックを残すことができるからです。
実際に、Unit 2ではWritten Assignment(ライティングアサインメント)の提出課題があるため、何かの文献を参照・引用する際は、このAPAフォーマットを正しく用いる必要があります。
ポイント②Written Assignmentのフォーマットに注意
Unit 2では、初のライティングアサインメント(論文)を提出します。ディスカッションアサインメントと異なる点は、ライティングアサインメントでは、Word(またはその他の文書作成ソフト)に、指定されたフォーマットで論文を執筆し、Wordファイルで提出(添付)するということです。
また、ライティングアサインメントは、ピア・アセスメント(ピア評価・相互評価)制です。翌週(次のUnit)に、自分の評価する課題がUoPeopleによって自動的に割り当てられます。
上の画像はUnit 5のものですが、このように画面に「Submission phase(提出段階)」「Assessment phase(評価段階)」「Grading evaluation(採点段階)」「Closed(クローズ)」と、4つのフェーズが表示されるため、このスケジュール通りに「提出(論文の提出)」→「評価(他の生徒3名の評価)」→「採点(自分の評価の確認)」と進みます。
また、評価する側も評価される側も匿名で、ディスカッションアサインメントのように自分で選ぶことはできません。そのため、提出物にうっかり自分の名前を書いてしまわないように気をつけましょう(本来は、下の画像のようにCover pageに名前を記入するのですが、ライティングアサインメントは匿名性なので必要ありません)。
出典:APA Format: Everything You Need to Know Here | EasyBib
さらに、APAフォーマットを用いた論文では、最終的には上の画像のようなCover page(表紙ページ)や、下の画像のようなReference page(リファレンスページ)を別で作る必要があるのですが、Unit 2〜4では習いません(指定もされません)。実際に私もコースインストラクターに確認してみたのですが、「APAフォーマットに関しては順を追って習うため、今は書かれている要件だけ満たしてください」との回答をもらいました。
一方で、何回かピア・アセスメント(相互評価)を行う中で、クラスメート(おそらく大学の論文に慣れているであろう生徒)の何人かは、表紙ページやリファレンスページをきちんと作成して提出していたため、これらのページを追加したからといって減点されることはないでしょう。
出典:Citing a Book in APA | Citation Machine
ちなみに、これらのページについてまだ習っておらず、指定されていないにも関わらず、ピアアセスメントで「参照ページは別ページに書く必要があります」と書かれ、低い点数を付けられてしまったことがあります。しかし、この場合、事前にコースインストラクターに確認していたため、インストラクターが提出物を確認し、適正なGradeに修正してくれました。
ただ、これはあくまでも私のコースインストラクターの場合です。真意は定かではありませんが、厳格なコースインストラクターにあたった生徒が、要件以外のことまでチェックされ、減点されてしまったという話を耳にしたことがあります。
そのため、もし何か気になることがある場合は、提出前に自身のコースインストラクターに問い合わせしてみることをオススメします。
ポイント③Self-Quizは何回でも受けれる
Self-Quiz(セルフ・クイズ)とは、今回のUnitで自分が学んだことが出題される、10点満点のミニテストです。出題される質問は5問程度で、結果は成績に反映されません。また、何度も挑戦することができ、その度に出題が少しずつ更新されるので、その週習ったことを理解できているかどうかを確認し、反復復習することができます。
次のUnitになっても受講でき、また、提出をする必要がないため、焦ってやる必要はありませんが、自分が学んだことがしっかり頭に入っているかどうかを確認するためにも、その週の内に受けること、Unitが終わってからも定期的に受けることを推奨します。
これを定期的に反復するかしないかで、後々の試験(Graded QuizやFinal Examなどの成績に入るテスト)にも影響します。私は間違えなくなるまで何度も受け、間違えたトピックはノートを見返したりして、理解し直すようにしています。
Unit 2のレビュー
Week 2では、ディスカッション・フォーラムや、ライティング・アサインメントについて学び、ピア・アセスメント(相互評価)の利点や重要性について考えます。普段ライターとして仕事をしている私にとって、今回のUnitはライティングに対しての学びが多く、非常にタメになる内容でした。
また、今回は初のライティング・アサインメントの提出もありました。ディスカッションアサインメントとは違い、指定された形式に設定済みのWordファイルで提出する必要があるため、Wordに慣れない私は少しフォーマットの設定に苦戦してしまいました。しかしこれは1回設定して覚えてしまえば、次から時間がかかることはありません。
さらに、ページ内の注意書きにも書かれている通り、ラーニング・ガイドの「APA style」に埋め込まれている2つ目の動画は6th editionになっています(この項目に関しては7th editionと同じであるため)。
しかし、実際にUoPeopleで使用するのは7th editionです。APAについて検索する際は、そのページに書かれている形式が、最新の7th editionであるかどうかを確認しましょう。
Unit 2の学習時間
学習時間:29時間
今回はライティング課題があったため、与えられた課題に対してのリサーチ、そしてAPAフォーマットの勉強、Wordのフォーマットの設定の仕方を調べるのに、かなりの労力と時間を費やしてしまいました。
Wordの指定フォーマットについては、私の場合、普段Google Docs(Googleドキュメント)を使用しており、論文を書くのも人生で初めてだったこともあってか、指定されたWordのフォーマットへの設定の仕方を調べるのに、結構な時間をかけてしまいました(Web仕事なのに機械音痴)。しかし、普段からWordを使用している方なら、おそらくそんなに時間がかからないのではないかと思います。
また、APAフォーマットにおいては、In-text citationやReferencesに関してや、Parenthetical citationとNarrative citationの違いなどについて学んだ上で、さらに動画の引用の仕方、ウェブサイトの引用の仕方、著者が複数の時、著者の記載がない時、日付の記載がない時など、参照する文献によって様々なルールがあるため、それらを把握し、習得するのに大変時間を費やしてしまいました。
私はこの段階で色々と深掘りをしてしまい、時間を費やしてしまったのですが、ソース先の種類別の記入方法については、今後ラーニング・ジャーナルで順を追って学んでいきます。そのため、ここでは今回参照する文献についての記載方法だけ学んで、他の種類の記載の仕方については、徐々に慣れていくと良いかもしれません。
APA Styleを学べるオススメのサイト
私自身がAPAフォーマットに最初苦戦したということもあり、ここに役立ったWebサイトをいくつか掲載しておきます。
▼American Psychological Association
出典:American Psychological Association
APAことAmerican Psychological Associationの公式Webサイトです。
APA Styleの参考例がたくさん掲載されています。
出典:Scribbr
編集会社Scribbrが運営するWebサイトです。
編集会社というだけあり、大変読みやすく、理解しやすい構成になっています。引用先の種類ごとの参考例が掲載されており、今回一番お世話になった、オススメのサイトです。
▼The George Washington University
出典:The George Washington University
ジョージ・ワシントン大学が運営するWebサイトです。
In-Text Citation (Paraphrase)、In-Text Citation (Quotation)、Referencesごとの形式がシンプルに紹介されています。
Unit 3: Academic Integrity and Ethical Conduct
ここでは、学問における誠実性と倫理的行動について学びます。文字だけ見ると一見堅苦しく見えますが、ようは「カンニングや盗作、誹謗中傷などの人を傷つける行為はしてはいけません」という、基本的なルールやマナーを改めて再認識し、学生としての責任感を高めるためのUnitです。
Unit 3のトピック
本Unitで主要なトピックとなるのは、こちらの5つです。
- Research and writing with academic integrity
(学術的誠実さを備えたリサーチと執筆) - Defining and explaining plagiarism
(盗作についての定義と説明) - APA format
(APAフォーマット) - Netiquette
(ネチケット) - Learning Objectives
(学習目標)
University of the Peopleのラーニングガイドには、このUnitを受講し終えると、
- 盗用について調査し、回避するための具体的な方法を規定することができます。
- 盗作問題の事例を評価・判断できるようになります。
- ピア・アセスメント(相互評価)にも関連するネチケットについて言い表せるようになります。
- 基本的なAPAフォーマットの引用と参照を認識し、備えます。
と記載されています。
出典:Learning Guide Unit 3 | University of the People
Unit 3のタスク
また、本Unitの課題はこちらの6つです。
- Unit 2のライティングアサインメントのピア・アセスメントを行う
- ラーニング・ガイドとリーディング・アサインメントを読む
- ディスカッションフォーラムに投稿、コメント、評価する
- ラーニング・ジャーナルを提出する
- セルフクイズを受ける
- グレーデッド・クイズを受ける
ポイント①Peer Assessmentのメリットとデメリット
Peer Assessment(ピア・アセスメント)とは、日本語で言うと「相互評価」と言われる評価方法です。同僚や同級生など、地位や能力が同等の者を表すPeer(ピア)と、お互いにAssess(評価)をし合うことをピア・アセスメントと呼びます。
ピア・アセスメントでは、一つのトピックに対し、多種多様のバックグラウンドを持っている生徒の意見を知り、評価をもらい、評価する側を経験することができます。そのため、様々な角度から物事を見る能力や、自分を客観的に見る能力が身につくというのが、このシステムの大きな利点の一つです。
さらにUnit 3では、クラスメートがUnit 2で提出した論文(ライティングアサインメント)の評価をしていきます。Unit 2の[Written Assignment Unit 2]を開くと、[Assigned submissions to assess(評価用に割り当てられた提出物)]という項目があるので、クリックします。
すると、上記のように、大学によって割り当てられた論文が3つ表示されるため、[Assess(評価する)]をクリックし、クラスメートの提出物(Wordファイル)をダウンロードしてください。画像の黒で塗りつぶされている部分には、生徒がつけたタイトルが記載されています。
評価用の項目がいくつか表示されるため、各要項と提出物を照らし合わせて、きちんとその生徒が全ての要件を満たせているかどうかを一つずつ確認していきます。項目によって「YES」「NO」または4〜5段階の中から一番適正だと思われるものをクリックし、フィードバックを書きます。
クラスメートへの評価も自分のライティングアサインメントの成績に入るため、適当に評価するのはNGです。相手の成績を下げるためにあえて低い評価をしたり、適当に全て高評価する行為は、自分のためにも相手のためにもなりません。
与えられたトピックのキーポイントや要項をしっかりと掴んだ上で、短文で雑なコメントを残すのではなく、良かった点や改善すべき点など、相手の身になる評価を心がけましょう。
一方、おそらく多くの方が抱いているであろう、「一部の心無い生徒によって不当な成績をつけられてしまうのではないか?」という懸念。UoPeopleではそのようなことが起きないように、ピア・アセスメントについてしっかりと学びます。
もし不当に成績をつけられてしまった場合は、コースインストラクターに相談すれば、インストラクターが提出物を確認し、公正に判断し、正確な成績に修正してくれます。
前回のPeer Assessmentで
不当な評価をされてしまった件ですが、
Instructorに相談をしたら、
「あのFeedbackには
一貫性と信頼性がない」とのことで
公正に採点し直してくれました✨Insturctorを含め
3人が90点満点を付けてくださり
とても光栄です☺️この調子で
今後も頑張ります💪#UoPeople pic.twitter.com/D1d4dI3Ri8— Sayah🌎マルチリンガルライター #NoWar 🇺🇦❤️🇷🇺🙏 (@sayah_media) October 11, 2020
ポイント②Graded Quizは成績に入るので注意
Graded Quizは、これまでに学習したことに関する知識を問う試験です。Self-Quizと同じで、1度しか受けられません。出題はSelf-Quizと同じく選択問題で、制限時間は45分、出題は15問でした。
しかし、Self-Quizとは異なるのが、Self-Quizより問題数が多いということと、テストの結果が最終成績にカウントされるということです。プロクター試験ではないので、試験監督を用意したり、ProctorUで今回の試験を登録する必要はありません。
制限時間はあるものの、全問解くのに実際にかかった時間は7分弱でした。レベル的には、普段からしっかり全て読んで、課題をきちんとこなしている人なら、決して難しくないと思います。また、前述の通り、何度もSelf-Quizを解いて、苦手なポイントをなくしておくことも重要です。
Unit 3のレビュー
Unit 2、Unit 3と、内容の難しさもリーディングのボリュームも、徐々に上がってきた気がします。Unit 3では、Academic integrity(学術的誠実性)やNetiquette(ネチケット)、Plagiarism(盗作)、そして、引き続きAPAフォーマットについても学んでいきます。
アメリカでは「Plagiarism(盗作)」に対して非常にシビアです。何かの文章や情報を引用した際は、APAフォーマットを使用して、引用先を正しく記載する必要があります。
引用先を記載しなかったことによって、大学側に「盗作」だと認定されてしまった場合は、退学になってしまう可能性もあるのです。そのため、APAフォーマットをしっかり学んでおくことは、今後の大学生活にも繋がるため、きちんと覚えておきましょう。
また、引用をしていない場合でも、Dupli CheckerなどのPlagiarism checker(盗作チェックツール)を使用し、自分で執筆した言葉が他の文献や記事などの文章と似てしまっていないかを、提出前にチェックしておくことも大切です。
Unit 3の学習時間
学習時間:18時間
私が今回このUnitで一番時間を費やしたのは、ディスカッション・アサインメントでした。リーディングなどの課題量ではなく、ディスカッションアサインメントをまとめる際の、個人的なリサーチに時間を費やした気がします。
また、ラーニング・ジャーナルで出題されるAPAエクササイズも、着々と難度が上がってきた印象です。
Unit 4: What is Critical Thinking and Why is it Important?
本章では、クリティカルシンキングの定義や、今後学習を進めていくにあたって、クリティカルシンキングスキルを向上させることの利点や重要性について学びます。
Unit 4のトピック
- Definition of critical thinking
(クリティカルシンキングの定義) - Explanation of the importance of critical thinking
(クリティカルシンキングについての重要性の説明) - Methods for developing critical thinking skills and critical problem solving
(クリティカルシンキングスキルの発展と問題解決のためのメソッド) - APA format
(APAフォーマット)
UoPeopleの学習ガイドには、このUnitの終わりまでに、
- 様々な状況において、学術的に批判的に考えることの重要性を、説明できるようになります。
- 少なくとも3つのクリティカルシンキング分析の方法を、特定できるようになります。
- 問題解決における分析のさらなる深い部分に、クリティカルシンキングのメソッドを適用できます。
- 基本的なAPAの引用と参考文献を認識し、備えます。
と、記載されています。
出典:Learning Guide Unit 4 | University of the People
Unit 4のタスク
Unit 4では、下記のタスクを行います。
- ラーニング・ガイドとリーディング・アサインメントを読む
- ディスカッション・フォーラムに投稿、コメント、評価する
- ライティング・アサインメントを完成させ、提出する
- ラーニング・ジャーナルを提出する
- セルフ・クイズを受ける
Unit 4のレビュー
このUnitは、今までで一番苦労したUnitです。全体的に、課題の難易度が急に高くなった気がします。
実際にこの時、唯一日本人同士であるクラスメートに初めてのDMをいただきました。いつもディスカッションフォーラムにクオリティの高い文章と的確な回答をしている方で、その洞察力の鋭さと賢さに日頃から刺激を受けていたのですが、その方も今回は本当に苦戦し、心が折れそうになって思わず私にDMをしてしまったとのことでした。
そのため、日本人にとっては少し解釈の難しいUnitであると言えそうです。
Unit 4の学習時間
学習時間:27時間
今回は、「クリティカルシンキング」を理解することと、「クリティカルシンキングスキルを使って問題を分析し、ソリューションを考える」という課題に頭を抱え、完璧に理解するまでに、かなりの時間がかかってしまいました。
アメリカでは割と一般的な考え方である「Critical Thinking」。これはスペイン語圏でも「Pensamiento crítico」、フランス語圏でも「Pensée critique」と呼ばれ、世界的にも一般的な考え方です。
日本でもビジネスシーンなどで耳にすることも増えてきましたが、日本語では「批判的思考」と訳されることもあり、少しネガティブな聞こえ方にも感じます。
そのため、「批判的」というマイナスのイメージを払拭し、クリティカルシンキングの利点やロジカルシンキングとの違いを理解するまでに、だいぶ時間を要してしまいました。
「Online Education Strategies」前半レビュー
本コースの「UNIV 1001 Online Education Strategies」のUnit 1〜Unit 4では、UoPeopleでの学習方法、アメリカの大学やオンライン大学のシステムについての基礎的知識や、マナーやルール、ライティングの方法など、これからの大学生活に必要不可欠なことを学びました。どのユニットも大変興味深く、有益なものばかりで、楽しみながら学習を進めることができました。
ライティングに関しては、APAフォーマットの習得や、出題されたことに対して頭をひねることも少なくありませんでしたが、リーディングに関しては、ファンデーションコースというのもあり、難易度はそこまで高くない印象です。
心配だったピア・アセスメントにおいても、UoPeopleの評価システムは非常にしっかりしており、不当な評価をされてしまった場合でも、きちんとインストラクターが対応してくれるため、安心して取り組むことができました。
また、自分自身が評価する側を経験することによって、様々な角度から自分を客観視すること、様々な意見や価値観を知ることができることも大きなメリットです。
このシステムによって、自分と異なる意見を受け入れる力、その評価が不当であるか正当であるかどうかを見極める力などが、ユニットが進むにつれ着実に培われて来た気がします。
反省点と今後の課題
「勉強が好き」って言うと、
特に若い頃は見た目が派手だったこともあってか
変わり者だと思われた。その度に
「勉強ってすればする程
知識が付いて
自分が成長できたり、
プラスになるばかりで
一切マイナスがないんだよ」
と答えた。若くても若くなくても
年齢関係なく
常に学び続けていきたい。— Sayah🌎マルチリンガルライター #NoWar 🇺🇦❤️🇷🇺🙏 (@sayah_media) September 6, 2020
反省点としては、初めての大学生活(アメリカの某大学での短期プログラムを除き)ということもあり、システムやフォーマットに不慣れであったこと、完璧主義になり過ぎてしまったことなどから、リサーチに必要以上に時間を費やしてしまったことです。
今後は無駄な作業時間を省き、タイムマネジメントをしっかり行うことにより、より効率化できるよう努めていきたいと思います。
今回、実際にかかった学習時間も記載させていただきましたが、おそらくその他の生徒は、私が費やした学習時間よりも、はるかに少ない時間で学習できているのではないかと思います。実際に、大手企業の正社員としてフルタイムで働いている方で、毎晩2時間のみ課題の時間に当てているという方がいました。
また、ピア・アセスメントでは、評価をしてくれるクラスメートと自分の意見がいつも合う訳ではありません。にも関わらず、本コースの前半は、クラスメートの目や評価を気にして、「正解」を探しすぎてしまったような気がします。
日本人的な価値観で、足並みを揃えて「同じ正解」を探すのではなく、「自分はこう思う!」と、自信を持って主張できるよう、引き続き日々スキルを磨いていこうと思います。
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