UoPeopleが仮想通貨とNFTの新システムを発表
Bonjour🎅🎄!マルチリンガルライターのSayah (@sayah_media)です。
学費無料のオンライン大学として、日々世界でも最先端のDXを推進・追求し続けているUniversity of the People(UoPeople)。
なんと先日12月14日、同大学が世界初の仮想通貨(暗号通貨)基金を設立したことを発表。
これに伴い、UoPeopleは
- NFT(非代替性トークン)でデジタル卒業証書を授与すること
- 仮想通貨でのコース料金の支払いを可能にすること
- 仮想通貨やブロックチェーン技術に関する学習をカリキュラムに統合すること
を発表しました。
本記事では、UoPeople歴2年目の私が、今回の発表について要約し、分かりやすく解説していきます。
↑UoPeopleについても言及されている書籍
①世界初の仮想通貨基金を設立
2021年12月14日、UoPeopleは世界初の仮想通貨基金を設立したことを発表しました。
以下、筆者翻訳。
“ユニオン・スクエア・ベンチャーズ(Union Square Ventures)の業務担当社員であるアルベルト・ウェンガー(Albert Wenger)と、彼の妻でユートピア財団の創設者でもあるスーザン・ダンジガー(Susan Danziger)は、仮想通貨取引所「コインベース(Coinbase)」に寄付基金を創設するために、100万ドルの仮想通貨を寄付しました。
大学はさらに100万ドルのデジタル資産を調達し、初期資金で1,000万ドルの達成を目指しています”
Source: UoPeople Creates the World’s First Cryptocurrency Endowment Fund | University of the People
UoPeopleの仮想通貨基金に寄付するには、財務担当副社長のSion Schlanger氏のEメールアドレス(sion.schlanger@uopeople.edu)に連絡するか、以下のビットコイン(Bitcoin)とイーサリアム(Ethereum)のアドレスにアクセスする必要があります。
【ビットコイン】: 3M9hekcTQcxkHMe1ikqkaZCWWuUxM7o55o
【イーサリアム】: 0xf3491c788071c4a295a0525ae6ed443697993a6b
②NFTのデジタル卒業証書を授与
また、UoPeopleは、NFT(非代替性トークン)のデジタル卒業証書を授与することを発表しました。
以下、筆者翻訳。
“NFT化されたデジタル卒業証書は改ざん防止であり、クライアントや企業に簡単にシェアすることができます。
世界中のどこからでもいつでもアクセスできるデジタル卒業証書を持つことは、多くの学生にとって、特に海外の雇用主に教育の証明ができる文書を提出する必要がある難民や卒業生にとって非常に重要です”
Source: UoPeople Creates the World’s First Cryptocurrency Endowment Fund | University of the People
NFT(非代替性トークン)とは
NFTとはNon-Fungible Tokenの略で、代替不可能なトークンのことです。日本語では「非代替性トークン」などと訳されます。
仮想通貨(暗号資産)との違いは、トークン(デジタル資産)が代替性であるか非代替性であるかどうかです。
仮想通貨(暗号資産)はいわゆるFT(Fungible Token)で、代替性トークンであるのに対し、NFTは代替不可能なトークンを意味しています。
また、NFTは通貨だけではなく、デジタルアートやゲームアイテムにも活用され、人気を博しています。以下の表は、仮想通貨(暗号資産)とNFTを比較したものです。
種類 | 仮想通貨 (暗号資産) |
NFT |
特徴 | 代替できる | 代替できない |
意味 | 同じものが 存在する |
同じものが 存在しない |
活用先 | 数量的なもの (ポイントや通貨 など) |
1点もの (ゲームアイテムや デジタルアート など) |
分割 | 分割できる | 分割できない |
代替とは「他のもので代える」「他のもので取り替える」という意味です。
例えば、買い物で10,000円で買った商品を返品するとします。
返金された10,000円は、自分が払った紙幣とは別物ですが、価値(10,000円という価格)は同じです。つまり、これは代替可能であることを意味しています。
しかし、お札を識別するための記番号や発行年月に注目すると、その10,000円札は唯一無二の存在になります。さっき自分が払った紙幣と返金された紙幣は別物だからです。
特に、ゾロ目の記番号が記載されている紙幣や、年号の変わり目に発行された紙幣をイメージすると、より分かりやすいかもしれません。
これらの紙幣は、そのプレミア度の高さから、額面以上の価格で取引されていることが多いです。つまり、これはその紙幣が代替不可能であることを示しています。
NFTは現在注目されているメタバース(オンライン上の仮想空間)との相性もよく、現在ではゲーム内のLAND(土地)やアイテムなどが数億円で売買されるなど、今後も実用化や普及が期待されています。
③仮想通貨での支払いが可能に
さらに、UoPeopleは、仮想通貨(暗号資産)でのコース料金の支払いを可能にすることを発表しました。
以下、筆者翻訳。
“多くの国では、資金を国際送金するのが困難であり、経済的な負担もかかります。 UoPeopleの117,000人を超える学生の大多数はアメリカ国外在住であるため、仮想通貨を使用してコースの支払いができれば、学生の送金がより容易となり、コストも安くなるでしょう”
Source: UoPeople Creates the World’s First Cryptocurrency Endowment Fund | University of the People
④デジタル資産や技術に関する学習の導入
また、UoPeopleでは、仮想通貨(暗号資産)の急速な成長を受けて、仮想通貨(暗号資産)やブロックチェーンを含む、金融テクノロジーに関するコンテンツを今後カリキュラムに統合することを明かしました。
以下、筆者翻訳。
“仮想通貨が金融界の将来において、ますます大きな役割を果たしていることを認識し、UoPeopleは、すべての学生がこの世界中で急速に成長している分野について学べるように、仮想通貨やブロックチェーン技術を始めとする金融テクノロジーに関するコンテンツをカリキュラムに組み込んでいきます”
Source: UoPeople Creates the World’s First Cryptocurrency Endowment Fund | University of the People
今回の取り組みについて、UoPeople創立者のシャイ・レシェフ氏は「未来の大学として、未来の通貨で基金を作成し、卒業生にNFTでデジタル卒業証書を提供することは完全に理にかなっています」と語っています。
また、シャイ・レシェフ氏は「UoPeopleは高等教育の新しいモデルを日々開発しており、仮想通貨は金融の新しいモデルです。私たちには、仮想通貨が世界のビジネスの方法をどのように変えているかについて、学生を教育していく責任があります」と続けました。
Source: UoPeople Creates the World’s First Cryptocurrency Endowment Fund | University of the People
学生が得られるメリット
今回のNFTや仮想通貨(暗号資産)を活用した新システムによって、学生が得られるメリットは以下の通りです。
- 文書の転送がシームレスでアクセスしやすくなる
- NFTの活用によって卒業証書の改ざんを防げる
- 仮想通貨(暗号資産)によって国際送金が物理的・財政的に容易になる
- 最新の金融モデルである仮想通貨(暗号資産)やブロックチェーン技術について学ぶ機会が得られる
仮想通貨(暗号資産)は金融の最新モデルです。将来性に関しては賛否両論ありますが、一部では未来の通貨であるとも言われており、実際に近年非常に多くの企業やサービスが、仮想通貨(暗号資産)を導入し始めています。
実際に、筆者も普段仮想通貨(暗号資産)を運用しており、日々仮想通貨(暗号資産)やNFTについて学んでいるのですが、知れば知るほど仮想通貨(暗号資産)やNFTの将来性や高いポテンシャルを感じさせられます。
現在の経済学では仮想通貨(暗号資産)について学ぶことができないため、私としては今回の新システムの導入は非常に嬉しいニュースでした。
進化し続ける大学教育イノベーション
現在、多くの高等教育機関が、仮想通貨(暗号資産)によるコースオプションを開始しています。
- ウォートン・スクール・ビジネス(Wharton School of Business)
- カリフォルニア大学バークレー校(The University of California at Berkeley/UC-Berkeley)
- リーハイ大学(Lehigh University)
- カーネギー・メロン大学(Carnegie Mellon University)
- スタンフォード大学(Stanford University)
- ハーバード大学(Harvard University)
- アリゾナ州立大学(Arizona State University)など
また、CNBCが若者世代の億り人に対して行った調査によると、約4分の1がビットコインやイーサリアム、その他のデジタル通貨でお金を保有しているそうです。
Source: Is red-hot cryptocurrency becoming the new gold standard in higher education? | UB- University Business
さらに、プリンストン大学(Princeton University)が「コーセラ(Coursera)」で提供しているコース「Bitcoin and Cryptocurrency Technologies」は、Courseraの「学生が今年最も興味を持ったコース」として、12位を獲得しているなど、 デジタル資産や技術に関するコンテンツは、ますます需要を高めていくことが予想されます。
Source: University of the People embraces crypto to streamline fee payment | Invezz
これからも発展・進化し続けるUoPeopleの未来や続報に、引き続き注目していきたいですね✨
▼オススメ記事:社会人学生も使える学割一覧はこちら。